2005年2月アーカイブ

木枠とStretcher

この前キャンバスを作りました。学生の頃から、安くできるという理由で自作していましたが、ここでも作った時のこと。
 ライクスには素材別のワークショップ(技術室)があり、キャンバスの木枠はウッドワークショップ、キャンバス地はペイントワークショップでつくります。その他メタル、プリント,セラミックス,プラスティック、ケミカル、ビデオ、写真、デジタル等あり、各ワークショップには各素材の加工用機材と専任技術者がいて、技術面での相談や特殊な技術のサポートをしてくれます。
 
 木枠のことを指す言葉は英語でa stretcherですが、ここのストレッチャー作りのシステムがとっても優れていた!!ので紹介します。
 特にこのパーツ。外枠の四隅と支柱に、この小さな木のパーツをこの鉄のパーツ(画像1)で挟んで木ネジで固定します。この鉄のパーツのネジ穴は1〜2センチくらいネジが動けるよう余分にスペースが作ってある(画像2)のでこの木のパーツの出っ張った部分をたたいて外枠に食い込ませることができます。すると外枠が広がって、いつでも表面がピンと張るような状態に微調整できる。(画像3)いいでしょ?特許もんだとおもうんですけど。
 
 で、このストレッチャーですけど、その名通り、ストレッチするもの、つまり伸ばす、キャンバス地をピンと伸ばして張るというものです。   
 普通に「木枠」と呼んでいたときは、この構造物は木でできたキャンバス地の枠(フレーム)、限界線である、という意識でした。で、ストレッチャーと呼んだとき感じるのはキャンバス地を伸ばすための裏方、ツールである、というかんじ。木枠の役割がはっきりしている分、なんというか、張られる表面の役割、表面への視点もはっきりしてくる。
 ここで感じた考え方や名前、道具の違いは、すべて物質ありきでスタートしいた点です。その上で、ある物質の状態の維持の技術や、ある役割を持った名前がついている。だから今自分のしている仕事が具体的に理解できる。
 ウッドの技術者、Wimとペイントの技術者、Arendはいつもキャンバス作りの時に「システムだけあってもものは作れない、目を開いて、(本当にこういう言い方をする)目の前で起こっていることを1つ1つ確かめながら作業を進めなさい」と、再三、念を押してきます。この徹底した「物質を見る」という姿勢、私には大いに役立つものでした。なぜ役立ったかというと、技術者ではないアーティストとしての私の視点が理解しやすくなるからです。何だか肩の荷が下りた感がありました。私だけかしら。    
 蛇足ですが、Arendが、張った表面にできたしわのことを「バブル(泡)」って呼んでいました。しわと泡、この呼び名にも表面への視点のちょっとした違いを感じていますがまあ今日はこの辺で・・・。
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