2008年10月アーカイブ

世界のハルキムラカミと表現者達

2008年10月30日

 気がつくと10月も終わりです。

 ところで私にはずっと戸惑っていることがあります。
 オランダに来てから要所々々で耳にする「ハルキムラカミ」という固有名詞についてです。
 かんたんにいえば、薦められることが多いのです。
 で私は、今も、ハルキムラカミ作品をそんなに好きじゃないのです。

 ライクスで、とあるアドヴァイザーが私のスタジオを訪れ、話をし、彼は私の作品とプロセスをすごい、素晴らしい!と言いひとしきり喜んだあと(なのに)「君はきっとハルキムラカミが好きだろう?」といいます。
 私は「No、私が好きなのは○○や○○で、でもそれは英訳されていないかもしれないけどこうこうこういう話です」といいます。

 友人のユダヤ人アーティストがスタジオに遊びに来て、「トモコ!この前すごく面白い日本の小説を読んだの!ハルキムラカミの羊が出てくる話、多分新作だとおもうけど、トモコも絶対好きだと思う!次日本に帰った時探して読んでみて! It's just parfect!」(それは結局『羊をめぐる冒険』、1982年、で新作ではなかったけど)といいます。
 私は渋々日本の本屋で探して読んでみました。おもしろかったけど、彼女が「トモコも好きだと思」った理由は分からなかった。

 オランダに来てすぐの頃、友人の日本人アーティストが『ねじ巻き鳥クロニクル』をかしてくれました。4ヶ月ほっておいた後、活字に飢えて手にとってみると、これが面白くて徹夜して読んでしまいました。にもかかわらず読後に「(貸してくれた人とハルキに)騙されて寝ずに読んでしまった!!!」という悔しい思いがありました。あんなに面白かったのに。

 私のダンナもハルキを好まないクチですが、彼は、あるオランダ人の女の子にハルキムラカミの小説の登場人物のイメージにぴったりだと言われ、ハルキ作品の世界をソースにした写真作品を作りたいからモデルになってくれと頼まれていました。
 私もそれを聞き、大心のどこがそうなのか、かなり考えなければいけませんでした。「胡散臭い風貌」というところに落ち着いたけれど。

 もちろんハルキ嫌いの外国人アーティストだっています。日本人アーティストもいます。そういう人たちとは「I don't like it.」と言ったり聞いたりしていればOK、その人の作品をみても私にとっては腑に落ちどころがちゃんとくる。

 でも私は今まで私にハルキを好きで薦めた表現者達が「ハルキの何が好きなのか」というところが知りたい。
 
 そして私も薦められた、またそれ以外のハルキ作品も読んで(だから私の家には、夫婦そろってアンチ・ハルキなのにハルキの本がたくさんあります、ついでに言えばハルキ作品の何が面白いのかを解説した本『村上春樹にご用心』(内田樹/アルテスパブリッシング)も読んでみました。)みて面白かったのに、「これいいよ」といって私の持っているハルキ作品を他人に薦められないのは何が足りないのか、も。

 もちろんハルキ=日本人だから日本人の私に話すというのはあるけど、それがそもそも変に私は思う。だって私は、私に私の知らないあなたの国の作家の話をしてほしい。

 その本を差し出して(出されて)起こったこと/起こらなかったことは何か、そういうことを気にしています。いつもではないけどどこかで未消化のまま引っかかっているのです。

 コミュニケーションへの思いが強すぎるということかもしれません。

 ついでにいうと私も猫好きです。猫への思いも強いと思います。そういうことなのかにゃーー。

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dog-walking

25.Oct.2008

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