X-Bankの記事

sema_03.jpg今週のアールスマン・コレクティも書こうと思っていたがやめて、コラムに友達の作品の写真が載っていたのでそれを読んでみる。私も好きな作品だからだ。
靴の中でなにか化学反応をさせて、足(発泡スチロールのようなもの)が膨らみながらにょきにょき延びてくるというビデオワークだ。
コラムは今週土曜にアムステルダムにオープンした「X- Bank」というギャラリー兼ショップ、の紹介である。なんでも180人ものオランダ人デザイナー/クリエイター/アーティストの作品を集めて売っているらしい。

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 理由はご想像にお任せするが、私は最近になって片付けの教祖の近藤麻理恵の本をもらった。彼女によると、私は、私を喜ばせるもの以外は全てを捨てなくてはいけないということだった。それで私はすぐに彼女の本をゴミ箱に捨てた。簡単なことだ。

 私がエクス・バンク(X-Bank)に足を踏み入れた時、直ちにこう思った。「近藤麻理恵はここで脳卒中を起こさないだろうか?」 エクス・バンクはアムステルダムの中心に位置する、新しいW・ホテル(W Hotel)のところにある、店とアート・ギャラリーが一緒になった場所である。そこは土曜日からオープンするのだが、ごった返すに決まっているので水曜日にプレビューが設けられた。

 そんなにすぐに私はものごとに打ちのめされたりはしないが、ここでは私はめまいがした。ちょっと見ただけでも、バス・コスタース(Bas Kosters)の、ペニスが全面にプリントされたシルクのスカーフに、「アニセッテ」とラベルに書かれたリキュールのボトル、アノウク・クラウトホフ(Anouk Kruithof)の美しい写真、アップル・シロップの缶、画集、ジーンズ、つまりなんでもあるのだ。

 この場所を運営しているニコレッテ・メイヤー(Nicolette Meijer)は、めまいに悩まされていないようだ。彼女は私に概要として提供しなくてはいけない数字の話をし、私はそれをメモに書き付けた。180人のオランダ人デザイナー、クリエイターがここ700㎡のスペースで作品を見せているということだった。夜間には窓にビデオワークがプロジェクションされ、それは88メートルの長さになる。アート・ギャラリーは300㎡。ああ、そうそう。ここには芸術家のための「レジデンシー」もできるそうで、それは80㎡。この店にも秩序や方針というものがあり、それは「商品は色ごとに置かれる」のだそうだ。あのペニス・スカーフとアニセット・リキュールは両方ともピンク色だった。そうか。

 私はギャラリー・スペースを調査するためにらせん階段をおりた。私の目を少し休めてくれる何かを期待したが、それもかなわなかった。流行の服をまとった子ども達が床にモップがけをするように転がっている。それらをジグザクによけて私はハイス・ストルク(Gijs Stork)によるキュレーションの展示「ポトラック(Potluck)」までたどり着いた。「ポトラック」という語について説明しておくと、マリファナのまわし吸いのことではなく、夕食のために皆が一品ずつ持ち寄ることらしい。それもまた旨いが。

 ここに集められたアーティストは、アムステルダムのギャラリーと関わりのあるアーティストたち、ナサン・アズデリアン(Nathan Azhderian)、セマ・ベキロヴィック(Sema Bekirovic)、ナタニエル・メロース(Nathaniel Mellors)、ナヴィッド・ヌール(Navid Nuur)、ミケ・プラット(Mike Pratt)にアンネ・デ・フリース(Anne de Vries)である。

 簡単ではなかったが、それはモップ隊がつま先に転がっていたからでもあるが、以前は気づかなかった関係性を見ることができた。それを確かに感じたのは不条理なビデオアートで知られるメロースの作品をみたときと、錬金術の美しさで知られるヌールの作品をみた時だ!

 それから私はしばらくの間、ベキロヴィックの素晴らしくも奇妙なビデオ作品を眺めた。1足の靴から何らかの化学反応で2本の足が伸びてきているようだ。この作品も売っていて、あなたを幸せにするかもしれないのだ。そしてあなたは近藤麻理恵からの恵みを受けるのだ。私からのも。

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このページは、tomokoが2016年2月27日 22:42に書いたブログ記事です。

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